5唐草文鶴首花入
2011.1加満久良にて


4唐草・白梅・紅梅・文花瓶
唐草模様にはさまれてきっちりと明るい調子で描かれた紅白梅です。唐草模様のさりげないアクセントが梅の花を引き立たせています。
2006.4松屋にて
部分を拡大すると、氏がいかに綿密に描いているかがさらにはっきりします。花模様も濃い部分と薄い部分があるのです。うさぎの足はよくみると、唐草と絡み合っています。唐草模様は黄緑色と青緑色で描かれており、入念に計算されて様々な位置が決定されているのがわかります。拡大しても遠めで見ても両方で楽しめる一品となっています。
3うさぎ・花唐草文細口花瓶

うさぎがかわいらしい細口の花瓶となっています。まず目に引くのは青ではなく緑がかった色で描かれた唐草文でしょう。こちらの唐草文は非常に色彩豊かに、楽しげな雰囲気をかもし出す描かれ方となっています。うさぎも心なしか踊っているように見えます。花瓶の口の部分に彩色を施してないのも心憎い演出といえるでしょう。花を生けた時に花の茎と花瓶の絵とが交じり合わないようにしているのでしょう。使う器としても考えられた逸品となっています。
2005.4松屋にて
2こちらの唐草は上の作品とはまた違う描かれ方をされています。とてもオーソドックスな唐草だといえると思います。そしてその唐草模様に引き立てられるように桜の花と木が雨粒型の画面いっぱいに広がっています。桜文は氏の作品にはよくみられますが、このように桜の花をところせましと描いた作品はあまりお目にかかりません。密に描くことで周囲の唐草文と共鳴し作品としての相乗効果をあげているといえるでしょう。桜の花も、例によって白とピンクが描かれています。これもまた、画面にアクセントを加える要素となっていると思います。
2005.4松屋にて
この作品の唐草は、初期の古伊万里とは違い、唐草を線で描いています。黒絵の具と青絵の具を使っている点も違います。伝統的な唐草模様ながら、描き方を変える事でとても新しい雰囲気をかもし出すことに成功しています。扇絵も唐草だけの味気ない仕上がりを避けることに成功しているといえるでしょう。
1細唐草扇絵文花瓶

この写真程度の拡大では唐草文の筋が見えないようなきめ細かな唐草が描かれています。唐草文を書く際は、氏は墨で下書きをするそうです。墨の下書きは焼いた際に消えてしまうということです。扇の絵も各扇で違っていて趣があります。 これだけ書き上げるのにどれほどの労力と時間がかかるか、ほとんど想像を絶します。
2005.4松屋にて
小畑裕司氏の唐草文はとても素晴らしいものです。古伊万里とはまた違った唐草文の数々をどうぞご堪能下さい。
小畑裕司の世界
唐草文の作品